働く人が知っておくべき法定労働時間、有給休暇の決まりについて。
法定労働時間
労働基準法第32条で、1日8時間、週40時間が上限と定められている。
法定労働時間に縛られない労働時間の制度
労働時間の柔軟性や特定の業務特性に対応するために設けられた制度がある。
ただし、制度を導入するには、あらかじめ労使間での協定(労使協定や就業規則)が必要。以下に主な制度例を3つ。
みなし労働時間制
実際の労働時間に関わらず、あらかじめ定めておいた時間を労働したものとみなす。
事業場外みなし労働時間制
事業場の外で労働して、労働時間の算定が困難。所定労働時間を働いたとみなして賃金を計算する。
専門業務型裁量労働制
19の業務(デザイナー、システムエンジニアなど)において、労使協定で定めた労働時間数を働いたとみなして賃金を計算する。
企画業務型裁量労働制
事業運営の企画、立案、調査、分析の業務において、労使委員会で定めた労働時間数を働いたとみなして賃金を計算する。
フレックスタイム制
始業時間、就業時間を労働者が自主的に決められる。
労使協定で定める:労働時間を一定期間(例:1か月)で平均化し、法定労働時間内に収める必要がある。
(例)清算期間: 1か月(4週間)
法定労働時間: 4週間 × 40時間 = 160時間
各日の労働時間は6時間や11時間などバラバラでも、清算期間全体(例: 160時間)に収まっていれば調整可能。
変形労働時間制
一定期間の平均が法定時間を超えない範囲で労働時間増減できる。労使協定や就業規則で定める必要がある。
三種類の変形労働時間制がある。
- 1週間単位:曜日によって忙しさが違う、飲食や小売業など。平日は少なく働き、週末長時間働くなど。
- 1ヶ月単位:月ごとに忙しさに波がある職場。工場やオフィスなど。
- 1年単位:季節によって繁忙期・閑散期がはっきりしている農業や観光業など。
時間外労働時間協定「サブロク協定」
労働基準法第36条に定められているため「サブロク協定」と呼ばれる。
労使協定を敵越して、雇用主は労働基準監督署に届出をしなければならない。
年次有給休暇
労働基準法第39条に年休の決まりがある。
有給休暇がもらえるのは、
①6ヶ月間継続勤務をして、
②その期間の全労働日の8割以上を出勤した場合、
→10日間の有給休暇が出る(連続、分割もOK)
6ヶ月継続勤務以降は、継続勤務1年ごとに1日ずつ
3年6ヶ月継続勤務以降、1年ごとに2日ずつもらえる