2022年春から通信制の学部がある大学で、認定心理士の資格が得られる心理学専攻で学んでいます。海外在住の社会人でも日本の大学が受講できるので、3年次に編入してみました。
年間の単位取得の期間が終了したので、実際に働きながら通信の大学の単位を取ってみた結果を書いてみます。社会人にとっての通信で大学の学びをすることのメリットや大変な点もまとめました。
通信制大学に3年次編入した手続きや費用、期待と現実のギャップなどは以前に書きました。
働きながら通信制大学で1年学んでみた結果
3年次に4月編入して、1年間で取れる単位の上限は44です。私は42単位取る予定でスタートして、実際には28単位の取得で2月に終了しました。
認定心理士の資格の対象となる科目を不足がないように取っていく必要があります。1科目4単位を7科目無事終えられました。全て、オンラインの試験で取得できるものです。
- 心理学概論
- 学習心理学
- 発達心理学
- 臨床心理学
- 社会心理学
- 生理心理学
- 環境心理学
取り損ねた科目は、レポートや実験など、テスト以外にやることがあり、全然立ち向かえませんでした。
卒業までには、3年次編入者は68単位が必要なので、あと40単位を絶対取らないといけません。
通信制大学で社会人が学ぶメリット
1年間、体験してみて感じたメリットは、大きく2つあります。
最大のメリットは、やはり「場所関係なく、好きな時に学べる」ことだと思います。
決まった時間に授業を受ける必要がないので、仕事が忙しくて手が付けられない期間があっても、落ち着いて時間がある時に一気に学習を進めることができます。
そして、交通費も移動時間も不要。
通学が不要なので、どんなに辺鄙なところに住んでいても関係ありません。通学時間も交通費もかからず、時間とコスト的にもメリットがあると思います。
途切れない安定したインターネットさえあれば、大丈夫です。
通信大学が社会人におすすめな点
通信大学は自分のペースで勉強できるので、スケジューリングを自分でコントロールしたい人にとってもおすすめできます。
各科目には複数のレポートや試験があり、それを締め切りまでに合格していかなければなりません。
自分の仕事に繁忙期があるのがわかっていれば、その時期には大学の勉強に手が付けられないとして、その前や後に学習のスケジュールを組むことができます。これが通学となると、決められた時間に行かないといけませんから、なかなか難しいでしょう。通信は他人の時間に合わさなくていいので、働きながらある程度自由に勉強したい人に合っていると思います。
もう一つ、勉強はしたいけど何の縛りもなかったら自分ではやらない人に通信大学はおすすめです。
私は締め切りのないことは達成ができない性質があり、期日が決まっている、やる範囲が明確に決められているものでないと取り組めません。そしてお金もかかっていないと、迫られるもの(払ったし、勿体ないと思う気持ち)がないので、やってもやらなくてもいいのでやらなくなります。
学ぶ範囲が決められていて、期日が決められていて、自分には丁度良いやらざる終えない環境づくりとなりました。
あと余談ですが、通信なので当たり前ですが人と会わなくていいので、他人に気をつかうのが疲れる人や、大勢の中で何かするのは苦手な人にもおすすめです。挨拶や雑談、人の名前を覚えるなどに脳のキャパを使う必要がゼロです。
通信大学は社会人にとって安い?
通信大学は社会人にとっては安い高等教育の場だな、というのが個人的な感想です。世の中には民間のスクールなどでも学びの提供はありますがすぐに数十万円取られますから、それを考えると、勧誘や次の商品を売りつけられるプレッシャーなく、学びたければどうぞ〜、という環境が提供されているのはお安い方ではないかと。
しかし、同時に思うのは、大学の通信では専門書を読んで学びを自ら進めるので、自分で本を買ってどんどん読んで、研究や実践を自分でできる人は通信の大学費用を払わなくても、自分でやってしまえばもっと費用は安いと思います。
社会人が仕事と通信制大学を両立するのはきついか
働きながらの大学はどのくらいきついのだろうかと、始める前は想像がつきませんでした。約10ヶ月間の仕事と大学の両立をしてみて、感想は、きつい部分ときつくない部分の差が激しい、です。
きつい部分は、クリックだけで簡単にできるテスト以外の科目です。私の場合はレポートと実験(実習)です。テストは正解か不正解かだけなので、不正解であれば再度受けることができます。しかしレポートと実験(実習)は相手が必要で自分一人で完結できません。
そしてテスト科目はすぐその場で結果が見れますが、レポートは提出して返ってくるまで数日かかります。仕事が忙しかったり体力的に疲れていると、レポートや実験に向き合うのはきつかったです。結果、私の場合は全く取り組みませんでした。
社会人が通信制大学で学ぶのが大変だった点
①スケジューリングが命
いろんなことに期日があります。申し込みや払込の受付、提出期限、大学に相談できる期間、それぞれ掲示されているものを確認して、自分で期日内に完了させていくことが命です。あっという間に数ヶ月過ぎ去ります。
②やる気に左右されずに淡々と進めるのが大変
何かにつまずいて、心が折れると再び走り出すのに何らかのきっかけや勢いが必要になります。仕事が忙しかったりプライベートでいろいろあったりすると、やらない自分をいろんな理由をつけて正当化して逃げてしまいます。
③わからない時に気軽に聞ける仲間
人と関わるのが苦手な人にとっては、通信は気が楽な学びの場だと思います。しかし、何かでちょっと聞きたいことがある、となった時に隣の席の人に質問するという環境がないのも事実です。そのために通信のサイト上にQ&Aがあったり、学生の有志のFacebookグループがあったりするので、そういう場を活用して乗り越える主体性も必要です。
通信制大学に社会人が1年学んでみたまとめ
通信制で学び始めた最初は、システムに慣れるのに一苦労、情報がいろんな場所にあるのでPDFをいちいちダウンロードして見たり、めんどくさいこともいろいろありました。
私は42単位中28単位の取得で3年次を終了しました。4年次にあと40単位とって卒業できるようがんばります。
働きながら通信で学ぶメリット
- 場所関係なく、好きな時に学べる
- 通学時間も交通費もかからない
- スケジューリングを自分でコントロールしたい人におすすめ
- 勉強はしたいけど何の縛りもなかったら自分ではやらない人にもおすすめ
自主性が求められる環境で、自分のペースでコツコツやりたい人には通信制大学での学びは向いていると思います。
以上、1年間やってみた感想でした。費用や海外からの手続きなどは以前の記録「日本の通信制大学に3年次編入した現実と感想」で書いています。