7つの習慣で何度も出てくる「原則」という言葉。コヴィ博士の言う原則とは一体どういうものなのでしょうか。
手法や、価値観とは何が違うのでしょうか。7つの習慣の第一部で書かれている原則についてまとめました。
7つの習慣の原則中心とは
原則とは
- 自然界に存在する法則(引力の法則など)と同じような法則
- 人間の有意義なあり方を支配する、人間社会に存在する絶対的な法則
- 不変であり異論を挟む余地のない、普遍的な法則
人は誰でも、自分の経験や条件付けから形成されたモノの見方(パラダイム)で、自分の生活や人間関係を見ている。それは、ありのままの現実を見ているのではなく、「主観的な現実」を見ているのです。
コヴィ博士は戦艦の船長のパラダイムの話を例にし、原則を灯台に例えました。
戦艦の船長が、悪天候の中で海上に見えた光を船と思い込み、相手に進路変更するよう要求しました。向こうが進路変更しないことに苛立ちますが、結果、見えていた光は灯台だったという話です。
自分の思い込みでものを見ていて、現実が見えておらず、自分が進路変更という行動を取らないといけないことに気づいていませんでした。原則(灯台)は動かせない、絶対的なのです。
原則は手法ではない
原則は手法やテクニックではありません。なぜなら手法は具体的な活動、行動であるため、状況が変わると通用しない場合もあります。
原則はあらゆる状況に普遍的に応用できる基本の真理。あらゆる人に、組織に、当てはまるものです。
原則は基礎的な、人間の行動を導く指針です。
原則は価値観ではない
原則は価値観でもない。原則は現実の場所で、価値観は地図(パラダイム)。原則に反する価値観=現実の場所とは異なる地図を、正しいと考えて行動することは、不正、詐欺、無駄、堕落などをもたらします。
地図を現実の場所(原則)に近づけるほど、地図は正確になり、機能的に使えるようになります。
正しい地図は、個人の効果性、人間関係の効果性に影響を与え、その変化は、手法で態度や行動を変えるよりも遥かに大きいものになるのです。
基礎原則一覧
- 公正・・・平等と正義の概念の土台
- 誠実と正直・・・信頼の土台となる原則
- 人間の尊厳・・・平等、生命、自由、幸福の追求の土台
- 奉仕・貢献
- 本質
- 美徳
- 可能性・・・常に成長でき、潜在能力を発見・発揮・さらに開発できる
- 成長・・・潜在能力を発揮し、才能を開発する
- 変化
- 忍耐
- 養育
- 励まし
- プロセス・・・どの段階も重要で時間がかかる(近道はない)
- 信頼
成長と変化の原則
原則についての話のなかで、私自身が原則を無視して個性主義を追っていたと気づかされたのが、成長と変化の原則です。
不可欠な自然のプロセスを踏まずに、手っ取り早く充実した人生を得られる、という耳触りの良い個性主義の言葉を受け入れていたことに気づきました。
全ての生命に、成長と発達のしかるべき順序があるのが原則です。赤ちゃんは生まれた次の日にスタスタと歩くことはできない、段階を経ていく事は省略できないし、重要で時間はかかるものなのです。
コヴィ博士の例えでわかりやすいように、テニスの初心者が、テニスのプロのようにプレーすることはできません。フリをしようとしても、前向きな気持ちだけ持っていても、現実はできないのです。成長と発達のプロセスが必要なのです。
原則に反する行為で得ること
原則である現実の場所へ近づこうとせず、間違った地図で近道しようとしても、得られるのは「失望とフラストレーションだけ」なのです。
ポジティブシンキング、積極的な姿勢だけで、成長のプロセスを無視しても、到着したい場所へはつけず、「自分は出来ない」とガッカリするだけです。
コヴィ博士が紹介している社会心理学者エーリッヒ・フロムの個性主義の因果に対する指摘が、自分のことを言われているようで痛いほど分かると思いました。
- 自分自身を知らず、理解しようともせず、唯一分かっているのは自分が社会から求められているイメージだけ
- 心から笑うことはせず、作り笑いだけが上手くなり
- 本当の痛みを追いやり、鈍い絶望感だけでやり過ごそうとしている
- 自発性および自分らしさ欠乏症
自分自身を知る、理解することを避けて、社会に溶け込めるような姿になっていればなんとかなると過ごしていました。自発性も自分らしさもなく、自己嫌悪や自責の念、いつも鈍い絶望感に浸っている感じでした。
そして、今までは「自分がわからない事がわからない」状態で思考停止していたので、客観的に現実を見ることからはじめ、「学習の第一歩は自分の無知を認めることである」という言葉を肝に銘じて、成長の一歩を踏み出したいです。
これから現実の場所(原則)へ、自分の頭の中の地図(パラダイム)をできるだけ近づけるよう成長していきたいと思います。