あるイベントに行った時、私の相方が神通力を備えていることに気づきました。
招かれていないパーティー
とある映画祭の式典を見ました。一般人は有料チケットを購入して、公開前の映画と授賞式が見られるイベントです。その式典プログラムにはアフターパーティーが含まれていました。式典会場からパーティー会場に移動して、DJがやかましい音楽をかける中、ドレスアップした人たちがワイン片手に知らない人たちと会話を繰り広げる催しです。
私はオドオドあたふたするので、ソーシャルなシチュエーションが苦手ですが、ワインに釣られてノコノコと参りました。存在感を消してタダワインをいただけばいいと思ったのです(有料チケット買ったんだし)。
閉幕式の会場からパーティー会場は歩いて30分。我々、私と相方ブッダは、バスでワープすることにして、バス停に行くと、花柄のワンピースに素足でサンダル(寒くないんですか?)、杖を持った大柄な女性がニコニコと挨拶してこられました。初対面とは思わせない勢いでトークを繰り広げてきた彼女は、イリーナ(エリーナ?)さん、ドイツ出身でスペインに何十年も住んでいる様子。私は彼女の話すスペイン語があまりわからなかったのですが、フレンドリーなブッダが受け答えしています。ご機嫌なイリーナさんは饒舌。私はというと、わからない時の必殺ウフフ笑顔&うなづきで一緒に会場まで行きました。
会場に入ろうとすると、入り口で門番をしている学生ボランティアスタッフが「リストに名前がある人だけ入れます」と言っている様子。「えーーー招待客のみなんてプログラムに書いてなかったじゃーん」と心の中で叫びながらも、気の弱いアジア人(私)は後退り、だめなんだ…と諦めて、早くも体は帰路に着く方向を向いていました。が、ご機嫌イリーナさんとうちのブッダは、スタッフ学生ちゃんと何か話しています。そして、あっさり「いいよ、入って」となりました。
フレンドリーであること&堂々としていること
イリーナさんは関係者パス?を持っていたそうで、パスを持っていないうちのブッダもまるで関係者かのように堂々と振る舞っていて、オロオロしていたアジア人(私)まで入れてくれました。
バス停で出会ったご機嫌イリーナさんと、フレンドリーに会話を続けたブッダのおかげで、私はの巨人の肩にタダ乗りさせてもらいワインにたどり着いたのでした。大変おいしくいただきました(そして飲みすぎました)。
もし私が1人で会場入り口に行って、「リストに名前がある人だけ」と言われたら、「えっそんなこと書いてなかったじゃん」くらい楯突くかもしれませんが、すぐにそっかダメなんだ…と諦めて帰っていたと思います。
のちほど、ブッダに、「ああいうところでいつも堂々としてて、ひるまないのホントすごいよね」と言うと、「だって入り口で門番してた子なんて学生だったし、入ってしまえば、誰もわざわざ追い出さないよ」とあっさりしておられました。この人は、最悪のシチュエーションが大したことなければ実行する、という習慣があります。そして、もしやってみてダメだったら、まいっか、とサッパリしています。
フレンドリーでいることは幸運を連れてきて、堂々としていることはダメなこともOKにできる。最悪の結末が大したことなければ、とりあえずやってみる。ブッダの神通力から学んだことでした。
ご機嫌な巨人イリーナさん、あんなにフレンドリーなドイツ人に絡んでいただいたのは初めてだったかもしれません。招かれてない我々も引き連れて入れてくださりありがとうございました。