5因子論(ビッグファイブ)とは、人間の性格を5つの基本的な次元(因子)で捉える理論です。性格の理解や測定において最も影響力のある理論の1つであり、現代の心理学で広く活用されています。
5因子論(ビッグファイブ)とは?提唱者は誰?
5因子論(ビッグファイブ)は、誰か一人による提唱ではなく、複数の心理学者によって段階的に発展しました。
キャッテルの16因子理論を基に、テュペスとクリスタルが5因子に簡素化し、ゴールドバーグが「ビッグファイブ」の名称を定着させ、コスタとマクレーが実証研究で理論を完成させたものです。
性格研究の分野で非常に広く認知されており、さまざまな文化や年齢層で妥当性が確認されています。
複雑な人間の性格をシンプルな5つの因子で説明できる点が、非常に実用的です。
5因子論(ビッグファイブ)の特徴と例
5因子論は、人間の性格を5つの基本的な因子で説明する理論です。
5因子 | 特徴 | 例 |
外向性 Extraversion |
他者との交流を好む、活発でエネルギッシュな性格特性 | 社交的、積極的、自信に満ちた行動 |
調和性 Agreeableness |
他者への思いやりや協力性を重視する特性 | 優しい、協力的、信頼できる態度 |
誠実性 Conscientiousness |
自己制御が効き、計画的で責任感が強い特性 | 几帳面、努力家、目標達成に向けた行動 |
神経症的傾向 Neuroticism |
感情の安定性の度合いを示す 高いとストレスや不安を感じやすい |
不安、感情的な揺れ、自己批判的 |
経験への開放性 Openness to Experience |
新しい経験やアイデアに対して柔軟で創造的な特性 | 好奇心旺盛、芸術や学問に興味、斬新なアイデアを求める |
この理論は心理学の研究で幅広く使われており、職業適性や人間関係の分析にも応用されています。