自分には無理だ、できない、変われない、という自分の中にあるメンタルブロックに苦しむことは多くの人があるでしょう。
そもそもそれがメンタルブロックだ、とも気づかずに、ただ自分は無能だ無力だと責めてしまっているかもしれません。自分の内部でがんじがらめになって、動けない、苦しい状態です。
メンタルブロックは外せる、その思い込みの壁は解除できる、ということについて学びや気づきをまとめます。
メンタルブロックとは
メンタルブロックとは、思い込みの壁によって諦める意識・思考のことです。
何かしたいこと達成したいことがあっても、そこに壁があると自分で勝手に考えて(人に無理だと言われたりして)、不可能だと思ったり、やめようと思うことです。
- 自分は暗いから人から好かれない
- 自分はデブだからあの服は似合わない
- 自分はブスだから魅力的になれない
- 自分は頭が良くないからあの仕事はできない
- 自分は歳だから○○始めるのはもう無理
- 自分は金持ちじゃないから○○できない
いま上記のように思っているわけではないですが、過去に何度か思った事があるようなメンタルブロックです。まだまだ思い出そうとすれば、つらつらとネガティブな自分の思い込みが出てきそうです。
心理学理論では「学習性無力感(英語ではLearned helplessness)」という言い方をするようです。
努力を重ねても望む結果が得られない経験・状況が続いた結果、何をしても無意味だと思うようになり、不快な状態を脱する努力を行わなくなること。
引用:デジタル大辞泉
メンタルブロックの原因は?
自分のメンタルブロックは、一度やってみてダメだったから永遠に無理だと思い込んだり、学校や家庭で教え込まれた教育だったり、多くの人が正しいと思っている常識や社会通念などを起因として作り上げているのではないでしょうか。
人それぞれ経験の中できっかけがあったり、小さな積み重ねで作られているかと思います。
よく聞くメンタルブロックの例として、つながれた象の話があります。
子どもの頃から繋がれていた象は、大きくなって小さい頃よりも強いので、つながれたものを引きちぎるなりして逃げる力は充分にあるのにもかかわらず、子どもの頃に「無理だった」経験を学んでしまっているため、もう逃げようとしなくなってしまっているのです。
できないと思い込んで、やる気を失っているわけです。自ら作ったメンタルブロックによって意欲を喪失した状態なのです。
人がメンタルブロックを作る理由
人間の本能に昔から刻み込まれているプログラムがあると言います。
人間がまだウホウホと野原で集団で生きていた時、様子のわかる安全な集落から外へ出ることは命の危険が伴いました。他の動物から襲われたり、自然の中で怪我をしたりするリスクがあるわけです。
生存本能で、命を守るためにはリスクを冒すよりも、安全な場所にとどまっていた方が生き残れる確率が高かったためです。
今では大自然の中で裸で生きているわけではないので、今すぐ自分の生命が危険に晒されるわけではないですが、それでも潜在意識の中にリスクを避けたい、変化しない方が安全、といったプログラムは残っているそうです。
そのため、既に知っている範囲から出ない方が安全、という本能が失敗を避けようと、新しいことへ挑戦する意欲にメンタルブロックでブレーキをかけてしまうわけです。
メンタルブロックが外れている人の例
常識や固定概念に縛られず、メンタルブロックなく行動できていてすごいなぁと感動した人たちをたくさん見ます。3人ほど例をあげます。
珍しい難病progeria(プロジェリア)、日本語では早老症(早期老化症)という病をもって生まれたSam Berns(サム・バーンズ)くん。
サム・バーンズくんは病気によって様々な壁があっても、常に「できないこと」に注視するのではなく「できること」はたくさんあると考えていました。やりたい事があって、学校の先生から、それは出来ないからこちらの代替案にしよう、と言われても、「どうやったらできるようになるか」を周りの人の協力とともに思考・試行を重ね達成して行ったのです。
サム・バーンズくんの考えや行動にメンタルブロックはなかったのです。それは幸福そうで、いきいきと話して、明るく人を惹きつける姿でした。
スティーブン・ホーキング博士、学生時代の21歳でALS(筋委縮性側索硬化症)と診断され、体が思うように動かなくなって車椅子生活にもかかわらず、研究をあきらめず、結婚もし、子どもももうけ、(離婚もしさらに新しいパートナーもでき)、世界で知られる天才博士となったのです。余命2年と告げられいましたが実際には76歳まで生きられました。(上の動画はホーキング博士の人生を描いた映画です)
病気という状態で出来ない言い訳はいくらでもできるし、無理だと思えばいくらでも絶望感の中に浸って過ごすこともできたでしょうが、ホーキング博士はメンタルブロックに縛られなかったわけです。ユーモアがあって知的で魅力的です。
B-BOY AMANO(天野)さん。YouTubeで元教諭のおじさんがブレイクダンスを踊っている姿には震えるほど感動しました。天野さんは60代を超えて、ブレイクダンスを始めキャリアを築いています。
”普通だったら”60代で、怪我でもしたら危ないし、若い人がするもんだから恥ずかしいし、、、など、たとえやりたいと思っていても諦める理由はいろいろあります。でも、本人がやりたければ、メンタルブロックを持たなければ、いつでもやっていいのです。楽しんでいるし、カッコよく、素敵としか言いようがありません。
人から学ぶことはたくさんありますね。
メンタルブロックの外し方
自分が無意識で作り上げたメンタルブロックは外す事ができます。メンタルブロックを外すためには、やってみると良いと言われる事がいろいろあります。
- 諦める前にまず調べる
- 人から言われたこと(常識や習慣)を疑ってみる
- 本当にそうなのか?違う視点もあるのではないか?
- 可能性を広く持つべき
- 自分のメンタルブロックの外の世界を見る・知るようにする
- 身近な人が実際にメンタルブロックを外しているのを見る
- いつも接する人、環境を変えてみる
できるはずもないと思って、最初のチャレンジすらしていないことはないでしょうかできないと決めているのは、自分の能力ではなく自分の心かもしれません。
今まで自分の作り上げたメンタルブロックでがんじがらめの人は、徐々にメンタルブロックを解除していって、これからはメンタルブロックを作らないようにする思考習慣を身につけていくのが大切です。
メンタルブロックを習慣化しないために
メンタルブロックを作る思考はクセになっているのではないでしょうか。思い込みや固定概念を増やさないように、柔軟な思考を習慣化していきたいものです。
- いろんな本を読んだり、いろんな人に会う
- メンタルブロックを既に外している人を見る・話を聞く
- 全く関係ない境地にいる人と接してみる
- 先人や先輩からライフスタイルや知恵を借りる
- 小さくてもいいから(調べてみるなど)、まずは何かやってみる方向に動く
- 自分が思い込んでいることは意外と関係ないんだ、と気づく
柔軟な思考や行動に起こすことを身につけていくことで、少しずつできそうな気がしてくる、やってみようかなと思えてくると思います。
言い訳「でも」「だって」を禁句にして、オープンマインドでいることを意識。
自分でできないと思っていることを、言い訳して正当化しないようにクセを矯正していく事が大切です。
メンタルブロックが解除された時
いろんな本で繰り返し似たような事が言われていることに気づく、いろんな人が根本的には同じことを言っていることに気付き、急に(人によっては徐々に)「わかる」と感じる時がくると思います。
ちょっとずつ積み重なっていくと「あ〜あれはこういうことか」と実感する時があります。一定のレベルを超えたときにメンタルブロックが外れる感じでしょうか。
私は今まで読んでいた本や、人が言っていた事が、頭では分かっていたつもりでも、実際自分の行動に結び付けようとは思えませんでした。それが、今までと違う行動を起こしてみたり、新しい人と話したりしてみた時に、急にマインドブロックの壁にヒビが入ってきたのを感じました。
急に壁が消えて無くなるわけではありませんが、少しずつヒビが広がり砕けていく感じです。嫌だ嫌だ、ムリムリと思っていたことに違う視点で見られるようになってきた感覚があります。
オープンマインド、柔軟な思考、チャレンジ精神、自分はネガティブだし暗いし無理と思っていたのが、100点でそれを実践できる必要はなく、試しにちょっとなんかしてみれば見えてくるものもある、と思えたのです。